8月5日、MotoGP第12戦戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPにてMoto2クラスに参戦する富沢祥也選手(享年19歳)がレース中の事故で亡くなりました。
今年から新設された600ccのバイクによるMoto2クラスの第1戦で歴史的な初勝利を挙げ、一躍トップライダーとしてチャンピオン争いを展開し、注目を浴びました。
人懐っこい性格でライダー仲間、チーム、プレス関係者からも愛され、パドックのムードメーカーだったと聞きます。
しかし、レースでは常に全開で突っ込んでいくような激しいライディングと思い切りのいいオーバーテイク、決して引くことなく自分のポジションを守りきるスタイルで皆の尊敬を勝ち得ました。
上のMotoGPクラスのライダーの中にも彼のファンがいて、Moto2クラスのレースになるとピットロードに彼を見にくるライダーいました。
似たような形、カラーリングの多いバイクの中でもすぐに彼の位置はわかるほど存在感は際立ってきました。
私はMotoGPの大ファンでいつもCSで見ているのですが、彼はいつもワクワクするレースをしてくれました。
強く、速く、美しく、なによりもフェアなレース運びは新たなスターの誕生を感じました。
これから若い日本人ライダーの素晴らしいレースキャリアがスタートする、その瞬間を見ることが出来る喜びはレースファンにはたまらない瞬間です。
まだ19歳でした。ご両親の辛さは想像を絶するものだと思います…。
素晴らしい人柄と不屈の闘志をもつ英雄が日本を遠く離れたイタリアで散った。
彼が亡くなった日にはEU諸国では急遽、追悼番組が流されていた。
イタリアの新聞は4面、彼の記事で埋め尽くされた。
日本では小さな新聞記事だけ。
世界で戦う日本人はゴルフ選手や野球選手、サッカー選手だけじゃない。
MotoGPでは小山知良、高橋結紀、青山博一、日浦大治郎達が活躍しています。
皆、ランキング上位で戦ってます。
青山は昨年、日進月歩で進化するワークスマシン勢の中で3年落ちの開発も改良もされていないマシンでチャンピオンになりました。奇跡だと言われたほどの偉業です。
知って欲しい。そして富沢祥也という英雄がいた、ということを覚えていて欲しい。
そして今、この瞬間も命をかけて戦っている英雄達がいるという事を知って欲しい。
彼の死を惜しむ偉大なライダー達の言葉です。
トニ・エリアス
(富沢選手とチャンピオン争いをしていたこの日の勝者)
「勝ったことなんてどうでもいい。この瞬間、みんなが悲しみを感じている。昨日、クリニカ・モービルでショーヤと冗談を交えて話したけど、もう僕たちと一緒にいないと考えると、本当に恐ろしい。彼は僕の人生で決して消すことができない跡を残した。」
ダニ・ペドロサ
(MotoGPクラス、レプソル・ホンダのエース)
「気持ちを表す言葉はない。すごく悲しく、恐ろしく、起きてはいけないことだ。彼はすごく楽しく、いつも幸せだった。ライダーとしては、僅か時間でみんなの尊敬を勝ち得た。速く勇敢だった。心が空っぽになってしまった。」
ホルヘ・ロレンソ
(今シーズン7勝のMotoGPクラスのポイントリーダー)
「富沢に起きたことの後で、レースのことをあまり話せない。今日彼に起きたことは残念。彼はナイスガイで、ストロングなライダーだった。すごく悲しい。彼の家族と友人たちに申し訳ない。」
バレンティーノ・ロッシ
(9度の世界タイトルを持つ、最強、最速の男)
「こんなに悲しいことが起きてしまうと、全てがゼロになってしまう。リザルトは重要ではない。本当に申し訳ない。彼は非常にストロングなライダーだったけど、何よりもすごく好感で、いつも笑顔だった。まだ若く、この先グレートなキャリアが控えていた。すごく悲しい。」
ケーシー・ストーナー
(ドゥカティのエース。2007年のチャンピオン)
「1週間前のピーター・レンツのアクシデントのように、呼吸が止まってしまうほどの恐ろしいことだ。彼の走りを見ることが喜びだった。グレートなレースをするところを見たかった。」
ニッキー・ヘイデン
(ドゥカティのもう一人のエース。2006年のチャンピオン)
「彼の家族とチームを考えるけど、パドック中がこの悲劇に強烈に打ちのめされた感じだ。結局、僕たちはみんなが兄弟。ビックなタレントとグレートなパーソナリティーを持ったライダーを失った。彼のスタイル、決定力、そして、いつも絶やさない笑顔が好きだった。」
ニッキーの言葉が心に染みます。
「僕たちはみんなが兄弟。いつも絶やさない笑顔が好きだった。」
私も妻も彼の笑顔が大好きでした。
親戚の子がレースに出ているような感覚で応援していました。
彼のことを決して忘れることはないでしょう。
大ちゃんやノリックのことを忘れることがないのと同じように…。
富沢祥也選手のご冥福をお祈りいたします。
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